卓話『静脈物流システム調査委員会を立ち上げよう』小木曽順務様

卓話者 小木曽順務様

卓話者 小木曽順務様

株式会社おぎそ 会長 小木曽順務様
(土岐ロータリークラブ会員)

環境省指導で陸(おか)の廃棄物資源循環システムは整備されたが、海ごみは未整備である。未だ、海ごみ問題を解決に導くための「静脈物流システム調査委員会」が起き上がってこないところに海洋汚染に歯止めがかからない要因がある。

PET食器の写真

PET食器

樹脂製食器市場では、PETボトルの資源化で近年揮発性除去装置が国内で整備されたことで厚生省ガイドラインを遵守したエコマークの付くPET食器が開発され、またメガネに見られるように透明な樹脂商品がプラスチック材質判別技術の誕生で、事もなく廃プラが素材ごとに分別できる時代に入った。廃プラ油化技術につなぐことで、マイクロプラスチックが油化でき、再生原料化として活用できる時代に入った。
海の廃プラは陸に比べれば大した量でなない。油化の採算目標30トン/月に向け、同素材の漁網、ホーサー(船舶係留索)を海事関係者で集め、また、農業用廃ビニールシートも集める。この採算性までを捉えた静脈物流システムを構築するために、

  1. 集めた海ごみを「法」に照らして取り扱い
  2. 集積箇所のリサイクルポートの社会資本を活かし、また塩分除去の施設整備を行い
  3. 廃プラはプラスチック材質判別装置で素材ごとに分別し
  4. 流木を含めた海ごみを素材ごとに分別し
  5. 再生資源の売却先をリサイクルポートエリア近くで確保

地方の事業所に参加願い、この1.から5.の項目をつなぐ全国展開の静脈物流システムを創るのである。この静脈物流システムを調査する調査委員会を設置し、静脈システムの整合性を精査することが、後々、海洋汚染に歯止めをかけることになる。
今春、気仙沼市は5つの課題を提示した海洋プラスチック対策アクションプランを宣言、11月にうまく議員連盟も立ち上がり、正しく「生きた教材」となる条件が全て整った。日本地図

  • アクションプランの着実な実行
  • アクションプランの進捗管理
  • 地域のイメージアップと広域的連携
  • 人・アイディア・資金の呼び込み
  • 地域内での資源循環

長良、揖斐、木曽川の流木が伊勢湾に、塩分除去したこの流木はバイオマス発電用とし活用でき、海ごみ25万トン/年(推測)の再生資源価格は25億円規模となる。この財源が地方の海岸漂着ごみの清掃活動にも充当でき、綺麗な海を取り戻せるという構想になっている。各位からも議員連盟に対し、ぜひ、調査委員会の立ち上げの声を挙げていただきたい。

2019年12月10日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc