卓話『米山奨学制度と米山学友会活動について』

卓話者 米山学友会小委員会 委員長 笠原幸治様

笠原幸治様
笠原幸治様

岐阜長良川ロータリークラブの笠原幸治です。これまで米山奨学生への寄付、支援ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。ロータリー米山記念奨学事業は、日本のロータリーが作り育てた独自の事業で、34地区、全地区が参加する多地区合同活動です。
1952年に事業が始まって以来、一貫して、日本で学ぶ外国人留学生を支援しています。「公益財団法人ロータリー米山記念奨学会」というのは、この事業をおこなうために、日本のロータリーが協同して運営する奨学財団で、財源はすべてみなさんからのご寄付で成り立っています。 この奨学金の最大の特長は「世話クラブ・カウンセラー制度」です。米山奨学生には世話クラブの例会や活動に参加してもらい、交流することを大切にしています。当時スリランカの奨学生であった、現在当地区の米山学友会会長のカスン君はアルバイトをしていてもシフトを減らされていた。その理由はスリランカの返事にあり、日本では「はい」と返事をするときスリランカでは「あ」と返事します。頑張っていても「あ」と返事されては信頼関係が築けない。そうロータリアンから指摘され「はい」と返事するようになってから信頼されるようになり、アルバイトでも、仕事でも順調になりました。
米山記念奨学事業は梅吉さんの財産で作られたものではありません。
米山梅吉翁は1868年、ロータリーの創設者、ポール・ハリス氏と同じ年に生まれました。米山は、外国人留学生を対象とする民間の奨学金では、国内最大規模です。
2025学年度は、日本全国で964人(前年度925人)が採用され、各ロータリークラブでお世話をいただいています。累計では、世界134の国と地域から2万4,830人を支援しています。これまでの累計では中国、韓国、台湾が多いですが、ここ数年でベトナムからの留学生が急増しており、台湾に次いで多くを占めています。米山奨学生の国籍で、最も多くを占めるのは中国です。想像していたよりも多いな…、そんな印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。中国の学生が多い最も大きな理由は、日本の大学等の高等教育機関で学ぶ外国人留学生のうち41.2%が中国人であるためです。各地区では、指定校に対し「推薦者は1カ国に偏らないように」といった要望を出し、多様な国から採用できるよう工夫しています。
また、選考においては優秀性を重視しつつ、同じ中国出身でも内モンゴル自治区など多様な地域から選ばれるよう配慮しています。
このように、一つの国に偏ることなく、様々な国の留学生を支援できるように各地区共に努めております。奨学生の面接はこの写真のような数名の面接官でなく、最大で15名を超えるような圧迫面接となっており、泣き出す子もお見えになります。中には面接でパーカーにジーンズで来る学生もいて、どうしても行きたい会社の面接にはこの格好で行くのかと質問するとスーツで行きますと回答し、面接を終了したこともあります。 寄付金の状況ですが、みなさまのご寄付はほとんどが奨学金に使われていますが、奨学金以外、例えば地区や世話クラブへの補助費、事業部門の職員人件費などにも一部使われています。米山奨学事業は、規模が非常に大きい事業であるにもかかわらず、管理費は支出のわずか3%です。 米山奨学会への寄付は大きく2種類です。クラブから会員数分を納める「普通寄付金」と、それ以外に、個人・法人・クラブから任意で出す「特別寄付金」です。当地区の寄付金の平均は9,542円で28位となっています。三重県より岐阜県のほうが実は寄付が大きいです。特に特別寄付については毎年数百万単位で寄付してくれる企業が岐阜にはお見えになります。
米山奨学生は卒業すると米山学友となります。米山奨学生は日本で就職したくて留学してきたのですが就職先がなく、やむなく帰国した学友もお見えになります。そんな人が母国で集まり、お世話になった恩返しをするために学友会を作って活動をしています。台湾では日本人留学生の支援し、韓国でも同様の支援をしています。スリランカでは小学校への文房具の支援をしており、タイでも同様な支援をしています。学友会からロータリー会員に311名がなっており、ガバナーとなったメンバーが4名お見えになります。学友からの恩返しとして震災があるたびに寄付を頂いており、1億3198万円となっています。
当地区の学友会の活動はこれまでほとんど活動していませんでした。2年に一度各地区の代表が集まり活動の報告会があります。活動が活発なところの特徴として、地区のロータリーとの関係が良好、個に頼らない組織で活動している、活動資金が確保できている。そして大都市圏であります。大都市圏の奨学生はそのままその地区で就職しています。当地区の奨学生も大都市圏で就職するためメンバーの確保ができていません。是非とも皆様の企業でも奨学生の採用を検討して頂けると幸いです。

ここ数年の学友会の活動を紹介します。学友メンバーが当地区を盛り上げてもらうために地区を知ってもらう活動をしています。
第2回は美濃和紙について、アスベストが使えなくなってからコンクリート等に混ぜるなど紙以外での使用が増えているようです。その後バーベキューを行いました。奨学生によっては宗教の理由で食べることができないものがありますが、奨学生に対して特に気にせず接してもらいたいです。お客様として接することでなく、メンバーとして接してもらいたいです。第3回目は萬古焼について学びました。リチウムを含む材料であるので高値で取引されるようになり、存続が危ぶまれています。各国の民族衣装について学びました。第4回の学友研修では座禅を体感し、カラオケを行いました。母国語で歌う彼らはうまいのか下手なのかわかりませんでした。是非皆様も一度奨学生と一緒にカラオケを行ってください。第5回では伊勢神宮を参拝しました。第6回では鵜飼を学び、鵜飼舟に乗船しました。第7回は10月に開催予定です。忍者村での体験です。そして11月の地区大会で米山の活動資金の募金活動を行います。重ねてのお願いとなりますが寄付のほうよろしくお願いいたします。以上米山記念奨学事業の説明を終わります。ご清聴ありがとうございます。

笠原幸治様と大橋会長

笠原幸治様と大橋会長

2025年10月7日 | カテゴリー : 卓話 | 投稿者 : gifunakarc