卓話者 平野総合病院 理事長 平野聡子様
人間ドックと健康管理と題して、まずは人間ドックに関する意識調査(NTTコムリサーチ)に関して話しました。人間ドックを受けたきっかけのトップは「健保や会社のすすめ」53.8%で、次に「健診が必要な年齢だと思ったので」42.2%、「もし病気があっても早期発見が大事だと聞いたので」39.4%と続き、年代別に見ると、30台では「健保や会社のすすめ」63.0%と最も多く、6割を超えます。また、「健診が必要な年齢だと思ったので」「もし病気があっても早期発見が大事だと聞いたので」は、年代が上がるにつれて回答が増えています。
一方、人間ドックを受けたことがない理由は、「費用がかかるから」66.7%と最も多く、次いで「受ける時間がないから」21.6%、「関心がない、面倒だから」16.7%となっています。年代別では30台ではこれらの理由に加え、「受けられる場所や申し込み方法がわからないので」が20.9%と情報の不足を理由として挙げている割合が高い結果となりました。面白いことに、「関心がない、面倒だから」は、50台が一番多く、責任のある仕事や子育てや介護等、社会的理由も大きいのでしょうか。
人間ドック受診後の感想は、「よかった」は84.9%、医療者の対応等が満足度に直結しています。
今回、長年、当健診センターにリーピートしていただいている岐阜中ロータリークラブの方から、便潜血の検査キッドがホチキスで止めてあり、けがをしてしまったという貴重なご意見をいただきました。気が付かないところでしたので、本当にありがとうございました。早速、針のホチキスは使わない方向にいたしました。
続いては日本人間ドック学会からの統計で、生活習慣病関連項目の推移は、6項目(高コレステロール、高中性脂肪、高血圧、耐糖能異常、肥満、肝機能異常)の異常は、高中性脂肪以外、年々増加傾向を示しております。
性別は、男性は女性に比べ、異常頻度が多くみられ、肥満、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能異常は50歳台がピークで、それ以後減少しています。一方、女性においては全項目において、加齢とともに異常頻度が増加する傾向があり、特に高コレステロールにおいては、50歳以降は男性より高くなっていますが、これは閉経に伴い血中の脂質を正常に保つ働きのあるエストロゲンが急激に減少するためです。
その他、ロコモティブシンドロームの説明とロコモ度チェックと、健康寿命をいかに延ばすか、厚生労働省が進めている+10について話をしました。