卓話『癸卯(みずのとう)年 獅子搏兎で挑む飛躍への挑戦』若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

獅子搏兎(ししはくと)、百獣の王ライオンは、小さくて弱い兎を捕える時も全力を出すことから、たとえ容易なことでも手を抜かず全力で取り組むということわざです。
その気概を持ち、卯年にあやかり飛び跳ねる兎のように飛躍する一年になることを願い、話を進めてまいります。
私は空手道界のエリートではありません。実は、4歳の頃に無免許の青年が運転する暴走バイクに正面衝突され重傷を負い、3ヶ月の寝たきり生活、4ヶ月間の入院生活を強いられました。退院後も後遺症に悩まされていた私の将来を案じた両親が、小学1年生のときに身体を鍛えるためにと空手道を習うよう勧めました。
しかし、空手道を習い始めたものの人より勝る体力もなく、社会人になっても「勝てない」時代を過ごしていました。
当時は20才前後が「スポーツ界の花形」と言われていた時代でしたが、私は遅咲きながら社会人になって世間から認められ、27歳で世界選手権初優勝、33歳で前人未到の世界選手権4連覇を果たすことができました。年齢的には確かに「遅咲き」ですが、勝てない時代に培った「反骨精神」があったからこそ世界一になることができたのだと、一見遠回りをしたようでも、これが夢への近道だったのではないかと思います。
「本当の勝者」とは、目先にある小さな花を咲かせたものではなく、その先の大輪の花を咲かせたものこそ「真の勝者」であることを、身をもって学ぶことができました。
これまでの現役選手時代の経験や、指導者となり多くの選手と向かい合ってきたなかで思うことは、初めから強い選手や、ずっと強くあり続ける選手はいないということです。
勝負は、強くなければ勝てません。しかし、強さゆえのおごりや、限界を知ることの挫折、迷いや誘惑、年齢的な衰えなど、永遠に勝ち続けることは不可能です。だからこそ本当の強さとは、力で相手に打ち負かすことではなく、挫折に打ち克つ心や負けない心こそが本当の強さだと、身に染みて感じています。
過去に私は、挫折に負けてしまうほどの辛い経験をしました。
それは私が世界選手権3連覇中だった頃、「優勝は若井の指定席」言われるなかで静岡国体に出場しました。しかし結果は、無名の大学生に初戦で敗北を喫し、これまで経験したことのない痛烈な苦しみを知ることになりました。当時の私の生活は空手が全てで、空手以外の夢をみたことがなかった私は、孤独の中で自暴自棄になり、社会との関わりを拒否し、生きていくことさえ嫌になることもありましたが、再び空手の道を歩むことを決意しました。なぜならば、敗北感に苛まれるなかで、私の世界チャンピオンとしての誇りとは、これまで手にしたタイトルでもメダルでもなく、空手に懸けてきた姿勢「生き様」でなくてはならない、ということに気付いたからでした。
そして、これからはどんなことがあっても二度と逃げ出したりしないと決意し、その「逃げない本気の覚悟」が、私を新たな可能性「前人未到の世界選手権4連覇」へと導いてくれました。
もしも、静岡国体の敗北で自分の人生を諦めていたのならば、今の私はありません。
諦めどきは人それぞれですが、100回やってできなかったことが101回目でできることがあります。なぜならば、100回やってもできなかった経験があったからこそ、101回目の成功につながったのだと考えることができます。
人はそれぞれ歩むスピードが違います。たとえ時間がかかろうとも、山頂を目指し自分の足で一歩一歩を進むからこそ、誰にも気が付かれずにひっそりと咲く1輪の花を見つけることができ、道の途中でしゃがみこんでいる人がいたらば肩を貸してあげられる、これもひとつの生き方なのではないでしょうか。
ロータリークラブの皆さまが提唱する多様性、公平さ、インクルージョン社会を実現するために、社会にたくさんの笑顔があふれるよう、私も一層の努力を尽くしてまいります。

卓話講師 若井あつこ様へ謝礼

卓話講師 若井あつこ様へ謝礼

2023年1月31日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

ガバナー補佐訪問

2022-23年度岐阜Aグループ ガバナー補佐 深貝一仁様(岐阜長良川RC)

ガバナー補佐 深貝一仁様

ガバナー補佐 深貝一仁様

早いもので2022-23年度も下半期に入りました。半年前の今期第一回目のクラブ訪問のときには、大変緊張をしてこの場に立っていたことを思い出しております。
上半期を簡単にふり返ってみます。
7月には、第一回目のクラブ訪問をさせていただきました。毎々同じような話になりますが、各クラブには多少知り合いの方もみえますので、概ね理解していたようなつもりでいましたが、実際クラブ訪問という形で具体的にお話を伺いますと、各クラブそれぞれの歴史があり個性をもってみえるということ。また、クラブそれぞれの課題に対し、工夫、努力をしてみえるということを改めて勉強させていただきました。

7月30日には、I.M.&ガバナー公式訪問合同例会を開催いたしました。会員皆様方のご協力により無事所期の目的は果たせたのではないかと思います。ありがとうございました。対面での準備だけをしておりましたが、コロナ感染の急拡大で急遽、ハイブリッド形式にせざるを得なかったことについては、少し残念な気持ちもあります。
今期、最もメインになる事業は地区大会です。主管は岐阜RCさん。三年ぶりの開催、十四年ぶりの地元岐阜Aグループでの開催ということで、コロナ禍の影響で多少制約もありましたが、岐阜RCさんらしい周到な準備のもとで実のある大会にしていただけました。
地区大会について個人的な感想として一つだけ述べさせていただきます。
二日目、式典最後の「ガバナー謝辞」のときです。ガバナーが一瞬言葉に詰まられた場面がありました。我々では思いも及ばないいろんな思いが込み上げてきたのだろうと思います。地区大会の重みを改めて感じさせる場面でした。
11月3日にはポリオ根絶チャリティゴルフ予選会、11月5日には、ぎふ信長まつりの会場において、ポリオ街頭募金活動を行いました。両日共、雲一つない好天に恵まれ会員の皆様のご協力のもと、全て予定通り行うことができました。

岐阜中RCさんにおきましては、今期会長方針の一つに「会員増強」を掲げてみえます。「会員増強」はロータリー全体、全てのクラブの課題でもあります。この中で、「岐阜中RC継続検討チーム」を立ち上げられました。昨年の”ガバナーと会長・幹事懇談会”の席におきまして、この「検討チーム」について田邊会長が縷々説明をされました。ガバナーも大変関心を持って聞いてみえました。新しい試みかと思います。これにより新たな方向性が見いだせるかもしれません。その他、今年度の事業に関しましても計画に基づき、前向きに着実に取り組んでみえます。
あと半年ほどありますが、どうかよろしくお願いいたします。

2023年1月17日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話「岐阜加納ロータリークラブの会員増強の取組みについて」

岐阜加納ロータリークラブ 幹事 野崎雅裕様

岐阜加納ロータリークラブ野崎様

卓話者 岐阜加納ロータリークラブ 野崎様

・自己紹介

・岐阜加納RCの現状
ワインコーナーでのひととき
会員数の変遷
現在の年齢構成
サロン、自己研鑽、仲間同士の交流、仕事を求めて

・会員募集のキーマンの重要性
Mさんの事例 異業種交流会での勧誘
Oさんの事例 JC仲間の交流
Kさんの事例 会員増強委員長としての使命感の強さ

・新入会員への教育
インフォメーションの徹底(出席率の低い会員がでてきてしまった)
入会4年以内のオリエンテーションの再開

・新入会員との交流
入会3~4年目の委員長を多く抜擢した
親睦活動委員会のメンバーを当番制でワインコーナーに行かせた

・中堅会員による若手親睦会の開催
定期的に誕生日会と称して中堅~若手の親睦会を開催
(ライングループを作り、ほぼ毎月親睦会を開催する
前回の焼肉会は過去最高人数で27人集まった)

・夜間例会の魅力
昼に着替える必要が無い
週末なので出かけやすい
他クラブの月一夜間変更で聞いたこと

・最後に
募集と教育 そして継続がセットになって増強になる

2022年8月9日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

ガバナー補佐訪問 

2022-23年度岐阜Aグループ ガバナー補佐 深貝一仁様(岐阜長良川RC)

ガバナー補佐 深貝一仁様

ガバナー補佐 深貝一仁様

各委員長、担当者の方から丁寧なご説明をいただきありがとうございました。

今期のRI会長テーマは「イマジン ロータリー」です。
「想像してください。世界に変化をもたらすことのできるロータリーの可能性を」
「ロータリーの力は、世界的ネットワークです。夢を実現するためにこのネットワークを通じ世界に変化をもたらそう」。

高橋ガバナーは地区スローガンとして、「ロータリーの心と原点を大切に、描こう明るい未来を」を掲げられました。「ロータリーの基本に返ろう」だと思います。その中で、「真のロータリアンを育て、ロータリーを成長させたい」、「日本のロータリー文化を守り、育てよう」と言ってみえます。「真のロータリアン」とは、職業上の高い倫理基準、道徳心を備えた職業人であります。「真のロータリアン」を育てることは、同じ思いをもつ仲間が増えることであり、ロータリーの活動のレベルアップ、また活動範囲も大きく広がります。これがロータリーの成長です。
「日本のロータリー文化」とは、1920年に日本に最初のロータリークラブができてから100年程たちますが、この間、日本では、理念と実践のほど良いバランスの上でロータリーを育ててきたということだと思います。『今、RIは人道的奉仕活動、つまり実践の方に重きを置き、同様に大切であるべき理念が軽く扱われている傾向にある。これでは本来のロータリーの姿とは離れていくのではないか。今こそ「日本のロータリー文化」を守ろう』、とガバナーは強調されました。

このスローガンの下、貴クラブにおいては次のような会長方針を掲げられました。
ロータリーの基本理念の理解を深めよう
副題として、「ロータリーを学び、ロータリーを楽しむクラブ活動を目指す」と言ってみえます。
また、今期の重要課題として「会員増強」「出席率の向上」を上げられました。会員増強に関しましては、入会候補者にクラブの魅力をより知ってもらう機会として、年2回のファイヤーサイドミーティングを企画されました。直接、本人に雰囲気を見てもらうということは有効な方法かと思います。また、現況、年齢の若い会員が相対的に増えてきたと伺い、大変羨ましく思いました。
出席向上委員会では、100%出席を目指すためには、会員の健康第一という考えから毎年会員全員の健康診断の実施してみえます。
その他、粕森公園清掃、ポリオ・チャリティカップ サッカー大会の企画など、地域社会への奉仕、貢献活動を大切にされている思いを感じました。今回のクラブ訪問では、改めて新しいことに触れさせていただいたように思います。一年間、お世話になりますがよろしくお願いいたします。

いくつかの地区活動方針が示されています。

  1. RI戦略計画を推進
  2. 会員増強・会員維持・クラブ拡大
  3. RIロータリー賞への積極的なチャレンジ
  4. 青少年育成の推進
  5. ロータリー財団補助金の積極的活用と寄付への理解・推進
  6. 米山記念奨学事業への参加と支援

これらの中で特に強調されている事項があります。

    1. ポリオ根絶の街頭募金活動
      コロナ感染状況を見ながら
    2. 女性会員比率 8%達成を目指す。
      RI目標:2023年度6月末 30%を掲げています。
    3. My Rotaryの登録率 50%達成を目指す。
      RIからの情報を正確なものを速く得られる
    4. ロータリーカードの普及
      ・オリコカード:個人 0.3%がポリオ基金へ 法人 0.5%がポリオ基金へ
      ・ダイナースカード:クラブ対応 0.3%がポリオ基金へ

クラブのご事情、お考え等があるかと思いますが、ご協力よろしくお願いいたします。

報告事項
第2回チャリティゴルフコンペの開催・・・詳細は幹事会を通じて

最後に、今期10月22、23日に行われます地区大会は、岐阜Aグループの高橋ガバナーの下での開催になります。お忙しい中、誠に申し訳ありませんがご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

2022年7月12日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

ガバナー補佐最終例会訪問

2021-22年度岐阜Aグループ ガバナー補佐 森益男様

ガバナー補佐 森益男様

ガバナー補佐 森益男様

岐阜中ロータリークラブの皆さん、こんにちは。本日はガバナー補佐として最後の例会訪問となります。1年間、誠にありがとうございました。
私は、岐阜中ロータリークラブに創立メンバーとして入会以来30年余り、ホームクラブでの活動以外、地区の組織とはほとんど関りもなく過ごして参りましたので、この1年は色々勉強させていただく良い機会と思っておりました。しかしながら、2年以上続くコロナ禍のため、多くのイベントや会議が中止や縮小に追い込まれたり、ZOOMによるリモート会議となるなど、誠に残念な思いをいたしました。
ただ、そんな中ではありましたが、岐阜Aグループにおきましては10月に延期して開催を致しました「I.M.及びガバナー公式訪問合同例会」と「Aグループの会長・幹事懇談会」等をはじめとして、ガバナー補佐として印象に残る出来事もございました。
例えば、7月に訪問した岐阜ロータリークラブさんでの卓話「論語と算盤」の卓話に感銘を受けて、本年4月の岐阜東ロータリークラブとの合同例会に、改めて講師としてお招きし、ロータリアンの職業奉仕についての卓話をお願いした結果、両クラブの会員へ大きな示唆を頂くことができました。
また、おなじく4月には「I.M.及びガバナー公式訪問合同例会」で東北の大震災での職業奉仕に関するテーマで講演をお願いした鈴鹿ベイロータリークラブの中野様が、私たちのクラブ例会を訪問、温かい言葉を頂き、感激を致しました。
さて、話題は少し変わりますが、最近の国際情勢に目を向けてみますと、特にロシアのウクライナ侵攻の報道には連日強い憤りを感じています。社会問題、特に貧困や保健、教育等には力を入れてきた国際ロータリーの活動ですが、
全ては平和あってこその運動であることを日々痛感しているところです。
現在、国際ロータリーはアフガン等の国々のポリオ撲滅に力を入れています。翻ってかの国では、女子教育等に多々問題があるタリバン政権とIS集団との内戦状態が未だに続いており、人身売買や貧困により餓死する国民も多いと聞いています。このような現実に対して、ロータリアンとして、皆さんはどうお感じでしょうか。
今期も残すところ1か月余りとなりました。冒頭申しました通り、この困難な時期に着実にクラブを運営されてきましたクラブ会長さんをはじめ、全ての会員の皆様に、ガバナー補佐として改めて大きな敬意と共に感謝を表したいと存じます。また、来期は長良川ロータリークラブより新しいガバナー補佐が始動されます。ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
最後になりますが、岐阜中ロータリークラブの益々の発展を祈念しましてご挨拶とさせていただきます。1年間、誠にありがとうございました。

ガバナー補佐としての提言

2021-22年度RI第2630地区ガバナー補佐として1年間、岐阜中ロータリークラブの皆さんより多大なるご支援を賜りました。残り1か月余りとなりましたが、ここまでの知見や体験をご報告することでクラブへのフィードバックとさせていただきたいと存じます。紙面の関係上、箇条書きにて列記しますが、少しでも岐阜中ロータリークラブの向上にお役に立てれば、と思います。

例会について…学びと親睦の輪をより広く、深く

  1. 新年度、親クラブである岐阜西RCに7月の第1例会へ新会長、新幹事として表敬訪問
  2. 合同例会、オープン例会の実施…通常、夜間共に企画。会員増強につなげるように。
  3. 他クラブへのメイキャップ出席の推奨…特にSAや研修リーダーと入会5年以内の会員が同伴して出席する事で学べることも多いと考えます
  4. パストガバナー、地区役員、他クラブの会長さん等への卓話依頼

親睦行事について…夜間例会にとどまらず

  1. 「趣味の会」の活動の周知や支援
  2. 「一泊例会」「日帰りバスツアー」等の企画…夫人の会と共同は可能か?
  3. 「夫人の会」との連携…例えば「子ども食堂」等の企画

奉仕事業について

  1. 地域の方々、特に中、高校生との共同事業の企画

ロータリークラブは職業奉仕を大きな柱とする″I SERVE“を信条とする団体です。寄付団体でも仲良しクラブでもありません。より一層魅力的なクラブになりますように力を合わせていきましょう。ありがとうございました。

2022年5月24日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話『最近のゴルフ』

岐阜関カントリー倶楽部 支配人 佐藤 茂 様

卓話講師 佐藤茂様

卓話講師 佐藤茂様

はじめに岐阜関カントリー倶楽部について宣伝を兼ねてお話させていただきます。
岐阜関カントリー倶楽部は、昭和37年頃に長良川CCをプレーした後、その足で岐阜CCでもう1ラウンドしようと桐谷坂付近を移動中、後の石丸常務理事がこれも後の亀井三代目理事長に「亀さん、この桐谷坂を越さず桐谷付近にゴルフ場はできないものか」と言ったことがそもそもの始まりとなったとお聞きしています。その後、当時岐阜CC所属の井上清次プロと後の後藤常務理事が加わり用地の調査を行い、昭和38年に理事長候補として岐阜日日新聞の山田社長を迎え入れて建設委員会が設置されました。
設計者には東の井上誠一氏の双璧といわれた西の上田治氏に依頼し、昭和38年に18ホールの計画で着工。昭和39年11月に仮オープンし2年間の調整期間を経て、昭和41年に高松宮殿下を迎えて「関カントリークラブコース」として本オープンをしました。当時は7,180ヤードの長大なコースとして全国的に話題となったそうです。
本オープン後、上田治氏の「27ホールが経営上、最も効率的」であるとの助言を受けて、昭和43年に9ホールを増設して名称を「岐阜関カントリー倶楽部」に変更しました。
そしてその後、初代山田理事長が「20年たてばメンバーは60,70歳になる。チャンピオンコースだけではきびしい。楽しく回れる18ホールが必要になる」と三度、上田治氏の設計により増設工事を行い、昭和46年に現在の東西コース36ホールとなりました。
その岐阜関カントリー倶楽部は、距離が長くタフであると言われておりますが、コース難易度を示すコースレートは76.0(東コース)は、全国的にみてもトップクラスの難しいホールであります。面積は1552482㎡、東京ドーム33個分の広さを有しております。今ではこれほどのゴルフ場は建設できないことでしょう。現在2,180名の会員が在籍し、岐阜関にはオーナーはおりませんので、会員の中から理事長に選出されて理事会を組織し、会員が会員のために運営している、いわゆる株式会員制のゴルフ倶楽部であります。
そんな岐阜関ですが、皆様のご存じのようにいろいろな競技を開催しております。国内には男女のトッププロを決める「日本プロ」「日本女子プロ」と、プロアマチュアを問わず男女のトッププレーヤーを決める「日本オープン」と「日本女子オープン」という、いわゆる4大メジャー大会があります。岐阜関はこの4大メジャーを開催した国内由一の倶楽部であります。1973年に開催された「日本プロ」は青木功プロ、1990年の「日本女子プロ」は岐阜関から輩出された森口祐子プロがホームコースで師匠の井上清次プロの目の前で優勝を果たしたという、岐阜関にとってはドラマチックな試合でした。また2009年には諸見里しのぶプロが優勝した「日本女子プロ」、5年前の2017年には池田勇太プロが優勝した「日本オープン」が行われました。
また、今年6月には日本の女子トップアマチュアを決める「日本女子アマチュア選手権」が開催されることになっており、現在準備を進めています。昨今の女子ゴルフ界は黄金世代プラチナ世代と若手が活躍して、とても華やかで人気があります。その世代の選手たちもこの日本女子アマチュアに多くの選手が出場しています。今年すでに3勝を挙げている西郷真央選手は、2019年第61回大会で優勝しており、若手の登竜門として注目を浴びる試合であります。残念ながら今年は直接ギャラリー観戦ができません。ゴルフネットワークで中継される予定ですのでご覧いただければと思います。

さて、少々前置きが長くなりましたが、今日のテーマであります『最近のゴルフ』についてお話させていただきます。
先ずはプロの世界です。昨年のオリンピックで稲見プロが銀メダルを獲得したなど、女子プロ人気は拍車がかかり、プラチナ世代の活躍も相まって非常に注目を集め今後も続くことでしょう。それに比べ男子プロは松山英樹プロが昨年マスターズを制したにもかかわらず、一部プロの出来如何で注目度が変わる低調さは、女子プロが良いだけに気になるところであります。

次にゴルフ業界全体に目を向けますと、巷で言われていますようにコロナ禍ですが、ゴルフは比較的安全であるとされた中、特に若年層がゴルフに興味を示し、練習所やゴルフコースがにぎわいを見せているといわれます。また、ゴルフ用品も需要が高まり、生産が追い付かなかったこともあると聞き及びます。西日本ゴルフ場支配人会連合会によりますと、西日本全体で2021年1年間の入場者数は3,656万人。2020年に比べると294万人多く、前年比108.7%の入場者を確保しました、また、同条件で中部地区は、総入場者数933万人対前年比108%という結果になり、やはり好況感が実感できたようです。しかしながら、コロナ禍ということもあり、個人や仲間で楽しむ傾向が強く、いわゆるコンペやパーティを伴うプレーが減少し、売り上げが伴わない傾向が実情のようです。

では、ゴルフに携わる側からの視線で見ていきたいと思います。
一つ目に入場者の問題です。確かにコロナ禍で増えていますが、コロナ禍前にクローズアップされていましたゴルフプレーヤーの高齢化、特に団塊の世代のリタイヤを謳った2025年問題は解決されたわけではありません。昨今、若年層のプレーヤーが増えたと言いつつも、今のゴルフを支えていますコアな層は、やはりこの世代であることには変わりはなく、いかにゴルフを始めた若年層を継続的につなげていくかが、業界の大きな課題となっております。
二つ目には、その若年層のマナーの低下が問題視されております。我々がゴルフを始めた頃は、ゴルフ場での振る舞いやマナーを先輩プレーヤーから教わったものですが、最近はファッション感覚でネットを使って気軽に予約し、何も知らないで来場するプレーヤーも多々あるようです。この客層にどのようにマナーを教えるかが難しい問題であります。

次にゴルフ場を運営していくにあたって、各ゴルフ場それぞれの事情はありますが、最近の傾向や問題点をお話したいと思います。
一番大きな問題として挙がってきますのが、人材不足であります。ゴルフ場の仕事は大きく分けて芝の管理をするコース管理部門と、いわゆるフロントなどの営業部門、あとはキャディ付きゴルフ場のキャディ部門に分かれます。
その中でコース管理部門は、高年齢化が進んでおります。先の西日本支配人会の労災件数を見ても、コース部門では行動が起因による労災が増えております。これは高齢化しているために滑った、転んだという事故が多くなってきている証拠であり、なかなか若い人がコース管理の仕事をしたいという方がおらず、高齢者やシルバー人材でなんとかやりくりしている現状であります。
営業部門に関しても人材難であります。そもそもゴルフ場の仕事自体が認知されておらず、人が抜けたあとの補充がなかなかできない状況です。
キャディ部門につきましては、最近はセルフで営業するゴルフ場がほとんどでキャディ付きで営業しているゴルフ場は数えるほどしかありません。しかしながら、このキャディも高齢化が進み、成り手が無いことはコース部門と変わりがありません。それに対し、ゴルフ場側も手を拱いているばかりではなく、それぞれが創意工夫を凝らし、求人を行っておりますが、キャディという仕事が認知されておらず、寒い日や暑い日、雨の日の外仕事などが嫌われている事由の一つになっていると思われます。以上のように全国的にゴルフ場は人材難であります。

人材の問題の次にあげられる問題は、昨今の異常気象によるコース管理の難しさであります。これから梅雨に入っていきますが、想定外の雨や夏の高温など、いままで経験をしたことのない環境下の芝の管理は非常に神経を使い、コースコンディションの維持が難しくなってきております。また、コース管理で頭を悩ますのは害獣です。イノシシがコースを掘り起こすとよく言いますが、一度コース内にイノシシが入るとなかなか追い出すことができず、どのゴルフ場も気を使っております。またその他、ゴルフ場によっては鹿や猿による被害に悩んでいるところもあります。
そして、コースや施設の老朽化も問題となってきております。ひとたび施設やコースに不具合が生じますと、思いのほか費用が掛かることがままあります。潤沢な資金を有しているゴルフ場は稀な存在で、たいていのゴルフ場は目先だけ修繕するとか、見て見ぬふりをするとかで、極力避けて通れるものであれば避けて通りたいというところが、本音であるみたいです。しかしながら、人命にかかわる案件も無きにしもあらず。ゴルフ場の支配人たちは何事もなく一日一日が過ぎることに胸をなでおろしていることでしょう。

以上、ゴルフ場の問題点をご紹介しましたが、ゴルフ業界もSDGsに背を向けてはおられません。
一昔前までは、ゴルフ場は大量の農薬を使用し、環境には悪いというイメージを植え付けられました。また、手入れの行き届かない里山は放っておくと改廃し、森が死んでしまします。しかしながら、整備されたゴルフ場は、そこにある芝や森林などの緑が営む光合成によりまして、年間411万トンのCO2、これを電力量に換算すると2,056万世帯相当のCO2を吸収しているといわれ、ゴルフ場が存在するだけで大気を浄化し、地球温暖化防止に大きく貢献しております。また、廃プラ運動にも力を入れており、ビニール袋の廃止やまだまだ数は少ないですが、髭剃り・ブラシ・スコア鉛筆・ストローの廃止を実施している倶楽部もあり、今後にわたって避けては通れない取組みとなっております。
以上のように最近のゴルフ事情についてお話してまいりました。少しはゴルフ業界の今を知っていただけたことと思います。

最後に、ゴルフは生涯スポーツとして末永くプレーしていただけるスポーツであります。皆様が今後も楽しいゴルフライフを送られることを祈念いたしまして、つたない卓話ではございましたが、この辺でお時間とさせていただきます。ご清聴ありがとうございました。

2022年5月17日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc