卓話「国際奉仕事業報告」

森井脩次委員長国際奉仕委員会 委員長 森井脩次
今日は、国際奉仕委員会の担当です。
11月9日~12日まで3泊4日、6名でフィリピン国イロイロ市に訪問しました報告会として、今回参加していただいた長井会長、田辺さん、安藤さんの方々には3分~4分間お話ししていただき、残り時間を渡辺さんに、今回の打合せの内容と今後についての報告をお願いします。よろしくお願いします。

 

 

田辺雅範会員田辺雅範会員
フィリピン イロイロ市 訪問
栄養改善研修事業の一環として、イロイロ市のホテルにて、ニューコレリアの方々より報告を聞き、打ち合わせをしてきました。
滞在した地域は、フィリピンのの中でも、安全な地区で、ホテル周辺は近代的に整備され、快適に会議をすることができました。

 

 

安藤元一委員国際奉仕委員会 安藤元一
ANAK-NCとの懇談について
本事業は2013年に渡辺会員によって、AHIの活動が当クラブの例会で紹介され、それを支援することから始まりました。
フィリピンのニューコレリア町でのAHIの活動は、現地の食生活の改善を始めとした地域開発の支援でした。
しかし、今回はニューコレリア町でのヘルシーライフスタイル啓発の一環で「有機農業」へ取り組むための支援を目的に懇談会が実施されました。今回の有機農業の取り組みは、フィリピンの国策とも言われているようですから、当クラブとしても国際奉仕の名の下で、どこまで支援することがよいのか。この機会に、今一度AHIの支援について見つめ直す必要があるのではと思った次第です。

 

ロータリー財団委員会 委員長 渡辺成洋

渡辺成洋委員長

 

 

 

 

 

 

 

PDF資料「2018年度岐阜中RC-ANAK-NC 報告会 議事録

卓話「人間ドックと健康管理」

卓話者 平野総合病院 理事長 平野聡子様

人間ドックと健康管理と題して、まずは人間ドックに関する意識調査(NTTコムリサーチ)に関して話しました。人間ドックを受けたきっかけのトップは「健保や会社のすすめ」53.8%で、次に「健診が必要な年齢だと思ったので」42.2%、「もし病気があっても早期発見が大事だと聞いたので」39.4%と続き、年代別に見ると、30台では「健保や会社のすすめ」63.0%と最も多く、6割を超えます。また、「健診が必要な年齢だと思ったので」「もし病気があっても早期発見が大事だと聞いたので」は、年代が上がるにつれて回答が増えています。
一方、人間ドックを受けたことがない理由は、「費用がかかるから」66.7%と最も多く、次いで「受ける時間がないから」21.6%、「関心がない、面倒だから」16.7%となっています。年代別では30台ではこれらの理由に加え、「受けられる場所や申し込み方法がわからないので」が20.9%と情報の不足を理由として挙げている割合が高い結果となりました。面白いことに、「関心がない、面倒だから」は、50台が一番多く、責任のある仕事や子育てや介護等、社会的理由も大きいのでしょうか。
人間ドック受診後の感想は、「よかった」は84.9%、医療者の対応等が満足度に直結しています。
今回、長年、当健診センターにリーピートしていただいている岐阜中ロータリークラブの方から、便潜血の検査キッドがホチキスで止めてあり、けがをしてしまったという貴重なご意見をいただきました。気が付かないところでしたので、本当にありがとうございました。早速、針のホチキスは使わない方向にいたしました。
続いては日本人間ドック学会からの統計で、生活習慣病関連項目の推移は、6項目(高コレステロール、高中性脂肪、高血圧、耐糖能異常、肥満、肝機能異常)の異常は、高中性脂肪以外、年々増加傾向を示しております。
性別は、男性は女性に比べ、異常頻度が多くみられ、肥満、高コレステロール、高中性脂肪、肝機能異常は50歳台がピークで、それ以後減少しています。一方、女性においては全項目において、加齢とともに異常頻度が増加する傾向があり、特に高コレステロールにおいては、50歳以降は男性より高くなっていますが、これは閉経に伴い血中の脂質を正常に保つ働きのあるエストロゲンが急激に減少するためです。
その他、ロコモティブシンドロームの説明とロコモ度チェックと、健康寿命をいかに延ばすか、厚生労働省が進めている+10について話をしました。

2018年11月13日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話 古田千尋様

卓話講師 古田千尋様

卓話 「覚えておきたいこと中小企業社員の仕事と生活の基本マニュアルから」

講師 古田千尋様

2018年10月2日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話「青少年奉仕部門について」

青少年奉仕委員長 故金正司「青少年奉仕部門について」
青少年奉仕委員会 委員長 故金正司

1.五大奉仕
(1)クラブ奉仕・・・クラブの機能を充実させる
(2)職業奉仕・・・職業の道徳的水準を高め奉仕の理念を実践していく
(3)社会奉仕・・・人々の生活の質を高めるために行う会員のさまざまな取組み
(4)国際奉仕・・・他国の人々を助けることを目的とした会員が行う親善、平和行動
(5)青少年奉仕

2.青少年奉仕について
(1)若い人々の多様なニーズを認識しつつ、よりよき未来をもたらすために彼らの生活力を高めることによって、若い人々に将来への準備をさせることは、各ロータリアンの責務である。
(2)すべてのクラブと地区は新世代の基本的ニーズ(健康、人間の価値、教育、自己開発)を支援するプロジェクトを立ち上げるよう奨励されている。

3.奉仕プログラム
(1)ライラ・・・ロータリー青少年指導者養成プログラム
(2)インターアクト・・・12歳~18歳までの青少年のための国際ロータリーの奉仕クラブ
(3)ローターアクト・・・18歳~30歳までの青年男女のためのロータリーが提唱する奉仕クラブ
(4)青少年交換・・・1年間、母国以外の国々のホストファミリーと生活を共にし、学校へ通う

卓話「歯科用CTについて」

「歯科用CTについて」 竹村安史会員
竹村安史会員
近年、医科では詳細な診断にはCT画像が使われているが、設備費用が高額であり大病院にしか設置されていない。しかし3次元的な画像把握ができるため2次元画像では診断が困難でスキルを必要としていたものが、CTでは容易に診断が可能となった。

歯科においては、ここ10年でインプラント治療の普及に伴い、歯科用CTの開発が進められ診断治療に用いられるようになった。当院においても移転に伴い、2次元のデジタルパノラマ撮影用装置が故障し修理不能となったため、導入する運びとなった。
当院で導入した歯科用CT装置は顔面の3分の2を撮影することができるため、口腔内だけでなく上顎洞も撮影範囲に含まれるので、上顎洞炎の診断にも有用で、会員のFさんの歯痛が歯原性のものでなく、上顎洞の炎症による可能性を判断でき、耳鼻科への紹介となった。
もし、インプラントによる治療を受けられる場合は、歯科用CT装置があるところで治療を受けられることを
お勧めします。
また、インプラント治療は良い治療法ではありますが、すべての症例で適応症となるものではありませんので、
ご注意ください。

2018年8月28日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

職業奉仕について(2)

秋保賢一 会員
秋保賢一会員
安藤会員からパスト会長として職業奉仕について話をするようにとのご依頼を頂戴しました。
もともと当時のシカゴが無法地帯であり,信頼できる仲間と安心して取引したいというところからロータリークラブが始まっていますので,親睦と職業倫理の確立が出発点であったと思います。その後,単なる互恵取引の利己的な団体だという批判が出てきたため社会奉仕活動も行うようになっていきます。
そして,後に国際ロータリーの会長に就任するハーバート・J・テーラーが倒産寸前の会社の建て直しを依頼された際に「四つのテスト」を思いついて,従業員に徹底した結果,見事再建に成功したとされています。もともとは,地元で次々に新しいお店ができてはつぶれていく中でずっと生き残っているお店があり,なぜだろうと思ったところからヒントを得たとされております。正直でまっとうな地元の人に信頼される商売をすることが継続的な事業経営のために必要であるということですね。つまり4つのテストは,もともとは安定的な企業経営のための戦略,コツだったわけです。
しかし,これは同時に職業倫理を示しているものでもあったので,テーラーがロータリークラブに版権を譲って以後,ロータリークラブの標語として使われるようになりました。
この「真実かどうか」というのは,もともとはその商品やサービスに嘘偽りがないかという意味であり,「みんなに公平か」というのはもともと「公正」と訳すのが正しいようであり,それが公正な取引と言えるかどうかという意味です。「好意と友情を深めるか」というのは,取引先や顧客との間で信頼関係を築けるかどうかということであり,「みんなのためになるかどうか」というのは,自分だけが利益を得るのではなく,相手方にも利益が生じているかどうか,つまりWIN・WINの関係になっているかどうかということです。なお,この「みんな」というのは,もともと,all concerned つまり関係者各位であって,従業員も含むと言われています。
その地域社会の色々な職業のトップの人たちが,この四つのテストに従って,信頼関係を基礎とした安定的,持続的な企業経営をしていく,平和共存的な取引関係を構築していく,そうすれば,その地域社会全体が安定的に発展するというのが,職業奉仕の考え方であると理解しています。それが日本全体,さらに世界全体に広まっていけば,最終的には世界平和につながるというのが職業奉仕の理想であると考えています。必ず取引の相手方のことを考える,相手方の損失や犠牲の上に自分の利益を獲得することを否定していくと,格差解消につながるのではないか,格差がなくなれば,国際紛争も起きなくなり,ロータリーの究極目標である世界平和が実現するのではないかという,そういう遠大な理想だと考えています。これは同時に企業戦略として捉えることも可能だと考えています。ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われている頃は,日本の製品は質が高く,日本の企業との取引は信用できるということで国際競争力を築いてきたのではないでしょうか。四つのテストは単なるお人好しにとどまらないと考えています。
この職業奉仕の理念,哲学は,本家のアメリカよりもむしろ日本に定着し,浸透しました。なぜかというと職業奉仕の理想と似たような考え方は,昔から日本にあったからです。近江商人の「売り方よし,買い方よし,世間よし」というのは職業奉仕の理念そのままです。4つのテストが発明される200年も前に日本の商人が同じ考えを持っていたわけです。職業奉仕の理念,哲学は,日本人の精神構造にもマッチしました。
ところが,本家本元のアメリカでは必ずしもそうではなくて,職業奉仕が軸足の右足だとすると対外奉仕の左足が,常に軸足をこちらに移すようにと働きかけてくるわけですね。そういう中で分離独立したのがライオンズクラブです。ライオンズクラブには,職業奉仕という考え方がないので職業分類もありませんし,例会もロータリーほど重視しません。ロータリーの場合は,例会が単なる親睦を超えて,その地域の色々な職業のトップの人たちが毎週集まって社会,経済について語り合う,職業奉仕の理念を自分の商売の中にどうやって実践していくかを考える場だということになっているために職業奉仕を重視することは,そのまま例会重視になるわけです。
その後も色々と紆余曲折があって,現在は,職業奉仕も対外奉仕もどちらも超我の奉仕という考え方のもとに統合されているものと理解しています。しかし,ここへきてRIが明らかに左足,つまり社会奉仕,国際奉仕,青少年奉仕そしてロータリー財団に軸足を移しています。いまや職業奉仕は忘れ去られようとしています。そこで日本の伝統的なロータリークラブが危機感をもって強く反発しているわけです。
私も個人的には,職業奉仕の考え方がなくなったら別にロータリーである必要もないのであって,ライオンズやその他たくさんある寄付団体やボランティア団体と何ら変わりがないことになりますので,ロータリーとしては,やはり職業奉仕の理想は大事にしていくべきであるし,これからも勉強していく価値のある理念ではないかと思っています。

職業奉仕について(1)

職業奉仕委員会
委員長 安藤元一
職業奉仕委員長 安藤元一
ロータリークラブの創立
1905年シカゴは商売もモラルが無く「騙される方が悪い」といった時代に、弁護士ポール・ハリスと3人の友人が2月23日、シカゴの現状を憂いて集まったのが始まり。その後、友人関係が進展し信頼関係から信用へと繋がり、商売上の「互恵のクラブ」として広がる。そしてポール・ハリスによりロータリーと名付けられ1906年には30名の仲間が加わりシカゴクラブが誕生。日本に伝わり1920年日本に伝わり東京ロータリークラブが誕生。

ロータリーの綱領(新訳)
1.知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること
2.職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること
3.ロータリアン一人一人が、個人として、また事業及び社会生活において、日々、※奉仕の理念を実践すること
4.奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的なネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること
※ロータリーの綱領で使われている「ideal of service」=奉仕の理想・奉仕の理念
理念:理性によって得られる最高の概念
理想:努力して到達しようとする目標
→「奉仕の理念の理想的なあり方を学ぶ集団」

四つのテスト
1932年ハーバート・テーラーによって初めは企業再興の社是として創られた。
→ロータリーに導入後、職業奉仕の倫理規範となり、ロータリーに関する「物事の判断の基準」→現在では人間関係の和を良好に保つための指針として唱えられている
また、4つのテストは1つ1つ追及・分析するのではなく「4つひとくるみにふんわりと考えればよい」

「決議23-34」について
1923年セントルイスでの世界大会で採択された{綱領に基づく諸活動に関するロータリーの方針}というサブタイトルがついたロータリーの理念であり不易なるロータリー哲学を語っている。
ロータリーとは
基本的には一つの人生哲学であり、※1利己と利他の感情の間に常に存在する葛藤を和らげようと、修行することである。この哲学は奉仕-「超我の奉仕」の哲学であり、これは※2「最も良く奉仕する者 最も多く報われる」という、実践的な倫理原則に基づくものである。

※1利己と利他を併せ持つ「我」の人間性を認めるが、利己心と利他の心のシーソーを利他に傾けるよう努力せよ。→その方法を学ぶ処がロータリーである
He profits most who serves best.
※2 1902年アーサー・フレデリック・シェルドンによって販売学の教科書引用されたセールス成功の論理でした。 profit=報いの現意は、実利実益である金銭的な報酬の意味と解釈されます。つまり正当な利潤を無視した、精神的な満足だけではありません。
職業奉仕は迂遠な理論ではありません。シェルドンの職業奉仕は身近な日々の生業の中にある至極当たり前な考え方。シェルドンの職業奉仕理念発想の原点は、商売繁盛の基本理念と同じです。
→二つのモットー 「利他の心を以ってすれば、利自ずから己に還る。奉仕は無心であれ。」

I serve と WE serveについて
I serve
個々が同じ志と云う相互関係で結束した「集団」
WE serve
共通の目的のために組織化された『団体』
即ち I serveの Iは集団を形成する「我」。 WE serveの Iは団体に従属する「我」

ガバナー公式訪問 卓話 木村静之様 

ガバナー 木村静之様国際ロータリー第2630地区 ガバナー 木 村 静 之
オープニングを生のピアノ演奏でお迎えいただき、国歌・ソングとも生のピアノ演奏でした。最近、例会で生の演奏ということがほとんどなくなっているなか、さすが伝統と格式ある岐阜Aグループの合同例会であると思います。

1  まず、RI会長のテーマについてお話しします。“Be The Inspiration” 「インスピレーションになろう」です。バリー・ラシン会長はバハマのかたで、医療機関経営のスペシャリストです。バハマは、米フロリダ半島とキューバの間、カリブ海に浮かぶ島です。テーマロゴはカリブ海の荒波を表しています。「インスピレーションになろう」の意味ですが、日本語で「インスピレーション」は「ひらめき」というような意味で使い、「インスピレーションを得る」という言い方はします。英語のINSPIREは、「鼓舞する」「意欲を喚起する」という意味があります。そうすると、「インスピレーションになろう」とは、ほかの人たちに対し「インスピレーションを与える」、「何かをやろうという意欲を吹き込む」、「心に火をつける」そういう人になろう、という意味になります。先月逝去された服部芳樹パストガバナーは「燃えよロータリアン」という名訳をされました。
ラシンさんは、前向きな変化を生み出す意欲を、課題に立ち向かう意欲を、クラブからも、地域社会からも、組織全体からも、引き出したい、意欲を引き出すための「インスピレーション」になりたい、あるいはなってほしいと述べておられます。

2 今年度の、私のガバナーとしてのテーマは、「理念をかかげ 意欲を喚起し 共に行動」というものです。まず、「理念をかかげ」をテーマにした理由です。世界のロータリーの趨勢が、近年、いささか「奉仕活動のロータリー」に偏っていて、理念が薄くなっている、という意見が特に日本のロータリアンから出ています。
奉仕活動のロータリー 増強、財団、寄付、プロジェクト推進を重視する面
理念のロータリー 職業奉仕、4つのテスト、例会を重視する面
私は、奉仕プロジェクトを活発に行うことは非常に大切なことだと思っています。ただ、世界のロータリーは、新興国の会員が増えてきたということもあって、「奉仕活動のロータリー」に傾いていると言えます。そのため「ロータリーの多様性」を認めざるを得ない状況で、2016年の規定審議会で大きな改正がなされました。例会は月2回でもよいとされました。当時のRI会長が「例会を何回開いたかよりも、地域社会にどのような変化をもたらしているかのほうが重要だ」と述べました。サンディエゴの国際協議会での私の体験ですが、新興国のガバナーエレクトは名刺と一緒に織物のポーチとか袋とか、名刺代わりの記念にしては立派過ぎるものをプレゼントしてくれました。先進国のロータリーから援助を引き出すことがガバナーの力量であり功績なのです。新興国の会員が増加し、先進国の会員が減少していることから、「奉仕活動のロータリー」に偏っています。そういう状況にあって、私はあえてロータリーの原点である理念を強調しなければならないと思うのです。
まず、職業奉仕の幹の中にある「奉仕の理念」をしっかりとかかげる。「かかげる」とはロータリーのモットー・四つのテスト・ロータリーの目的(綱領)に表される基本理念をいつも意識して、職業生活・社会生活で実践することです。最近も、日本を代表する企業で「偽装事件」などが発生しています。「産地の偽装」とか「等級の偽装」といった事件も発生しています。我々ロータリアンの感覚からすれば由々しき問題だと言わざるをえません。

3 そして、大切なのが例会です。例会は、職業人としての倫理を向上させ、互いに切磋琢磨し学ぶ場であります。例会のプログラムを大切にし、例会への出席を大切にしたい。理念の浸透を図るのは例会です。
若手会員の皆さんは仮に例会が減ったら「ラッキー」と思うか「残念」と思うか。仕事で忙しい世代は、例会に出る時間を作ることに苦労しているかもしれません。しかし、例会に出れば先輩や友人に会えるし、顔を合わせてこそ信頼関係を育むことができるのです。「例会に出席義務」があるといいますが、義務感から出席するのではなく、楽しいことがあるから出席するというようになっていただきたい。他方、例会のプログラムを企画する側も工夫をして、例会に出席してよかったという気持ちで帰ってもらえるようにしたいものです。
これに関連して、クラブ内での研修態勢を整えることも大切です。クラブの中に「研修リーダー」を作ることを推奨したい。情報委員長との兼任でも、職業奉仕委員長との兼任でも結構なので、クラブの中で研修全般に配慮する人がいてほしい。

4 次に「意欲を喚起」ですが、その前提としてまずは「会員基盤の強化」が必要です。増強できなければロータリーは衰退します。日本のロータリーは20年前に140万人でしたが、今は90万人です。漫然と放置すれば存続自体が危うくなり、理念を広げるということも言っていられなくなります。 若い世代に入っていただきたい。ラシン会長はローターアクト倍増ということも言われています。女性会員もです。今や、女性が職業を持つのも社会的な活動をするのも当たり前になっています。そうであれば、ロータリーのメンバー構成もそれに応じて多様になっていなければならない。今世界でロータリーの女性会員は20数%ですが、日本は5~6%。当地区では4.9%(三重県7%・岐阜県3.2%)。これを5年以内に15%以上にしたいと提唱されています。多様性(ダイバーシティ)は発展の基礎です。もともとロータリーは多様な職業人からなっています。もし単一の職業なら、その業種が衰退することによって衰退してしまいます。多様な人に入ってもらわなければ組織は衰退します。
増強の現実は、各クラブ1年間で平均1名の増強ができていません。各クラブ1人増えれば地区全体で75人増えるのですが、現実はそこまで行っていません。よく増強セミナーで、増強のためにどうすればよいかという話が出ますが、私は、クラブの中で一人一人の会員を大切にすること、会員が奉仕に対する意欲をもつこと、クラブを魅力あるものにすることであると思います。

5 次に、意欲を喚起するにはどうしたらいいのかということです。ラシン会長は行動力のあるリーダーらしく、意欲を喚起するには「熱意を持って強く伝える」とか「自らの行動で範を示す」、ということを言っておられます。私は、少し視点を変えて「感動体験を話そう」ということをご提案します。ロータリーでの感動体験をお互いに話すことです。ロータリーでは、見返りはお金ではなく感動です。奉仕活動で感動したこと、職業奉仕の面でも感動したこと、そういう感動体験は自分自身の中でさらなる意欲となりますし、そのような話を聞いた人も意欲が湧いてきます。意欲を喚起することによってクラブは元気になり、充実した活動に繋がります。

6 次に「共に行動」です。奉仕活動として何をするかは、各クラブの情報収集と創意工夫です。クラブの規模は様々で、各クラブの重点の置きどころも様々ですから、各クラブでアンテナを広げ、地域社会で何か改善すべき点はないか、あるいは世界で必要とされている課題は何か、という観点で取り上げていただきたい。どんなプロジェクトをするかは、地区の奉仕プロジェクト委員会からも情報を得ることができます。「財団の地区補助金」を活用した奉仕プロジェクトは、多くのクラブで実行されています。毎年でなくても活用していただきたい。また、「グローバル補助金」は、少し規模の大きい国際的な活動をする場合に使えます。

7 グローバル補助金事業としてひとつご紹介したいと思います。RIの2016-17年度年次報告に、当地区の中津川クラブと中津川センタークラブが行った「母子の健康」に関する事業が取り上げられました。 これがRIの年次報告書です。全28頁のなかの1頁を使って紹介されています。ブラジルのサンパウロ州で乳児死亡率が高い地域がありました。地元のレジストロロータリークラブと中津川のクラブが共同して、現地の医療施設に医療機器を提供し、住民を対象に産前ケアのワークショップの推進もしています。中津川市はレジストロ市と姉妹都市になっているというご縁だったそうです。グローバル補助金は、6つの重点分野に該当するという要件や、持続可能性という要件が必要です。現地の人たちが活動に加わるといったことも必須です。外国のクラブと一緒になってやるため言語など意思疎通が難しいことがあり、失敗例も報告されていますが、地区の委員会(奉仕プロジェクト委員会、国際奉仕委員会、財団委員会)がサポートしてくれます。
事業は「持続可能性」が求められます。持続可能性(sustainable)という言葉は、最近、国の政策で「持続可能な開発」とか「環境の持続可能性」、企業経営で「企業の持続可能性」、「持続可能なコーヒーの追求(スタバ)」などと、よく使われます。ロータリーでは、「持続可能な変化」をもたらすような援助をすることが大切です。単に物を寄贈するだけというではなく、現地の人も加わって、将来的に現地の自助努力でやっていけるように手を貸す、ということが大切です。「魚を与えるより魚の取り方を教える」ということです。

8 ロータリー財団は、世界では非常に高い評価を受けています。お金の使い道、使い方、透明性、いずれの面でも高い評価を受けています。時々、「財団の補助金は要件が厳しくて使いにくい」という声も聞きますが、それは、財団委員会が、ルーズな使い方にならないよう管理しているからです。財団はロータリー以外からも広く寄付を集めていますので、その意味でもルーズな使い方はできません。

9 次に「公共イメージと認知度の向上」についてお話しします。ロータリーは意外と世間に知られていません。あるいはロータリーという名前が知られていても、どんな活動をしているかは知られていません。なぜ公共イメージ向上が必要か(なぜ広報宣伝しなければならないか)というと、「いいこと」をしても知られなければ広がりがないからです。例えば、震災ボランティアに多くの人が集まりますが、それはマスコミで知らされて、「それじゃ私もやろう」となるわけです。公共イメージが向上することによって、世間から注目され、人が集まるようになり、我々の励みになります。その結果、増強にもなり、奉仕の拡充になります。方法として、奉仕活動の機会をとらえて、視覚的に伝えるのが効果的です。チラシ・パンフレット・写真・インターネット・ロータリーロゴの入った看板・横断幕などです。ロータリーの価値を物語る、ロータリーがもたらす地域社会への影響を伝えることです。その際、ロータリーの理念も伝えたい。「4つのテスト」なです。

10 “PEOPLE OF ACTION” 「世界を変える行動人」はRIのキャンペーンです。たとえば、奉仕活動の写真を掲載する場合に「行動」をイメージできる写真にする、など提唱されています。このロゴはマイロータリーからダウンロードできます。チラシなどに使ってみてはいかがでしょうか。

11 ロータリー賞、RI会長特別賞を目指してください。昨年まではRI会長賞」といっていました。3つの戦略的優先項目に沿って項目がいくつか並んで選択するようになっています。それほどハードルは高くないので達成可能です。目標に挑戦することによって意欲を喚起することができます。

12 ポリオ撲滅の問題があります。30年前、野生型ポリオウィルスによって麻痺障害を発症する人(子ども)は、毎年推定35万人でした。それが、ご覧のようになっています。現在も野生型ポリオウイルスによる感染が続いているのは、アフガニスタン、ナイジェリア、パキスタンの3カ国となっています。30年前と比べると、99.9%以上の減少です。3年間続けて0になれば撲滅したと言えるのですが、今年になってアフガニスタンとバングラディシュで6月までに11件発症が確認されています。残る0.1%のポリオとの闘いが問題です。予防接種活動の妨げとなっている要因は、遠隔地、不十分な公共インフラ、紛争、文化的障壁などです。ポリオ撲滅が実現すれば、ロータリーの人道奉仕の成果として、歴史に残ることと思います。引き続き寄付のご協力をお願いします。それとともに、機会を見つけては広報をお願いしたい。「ロータリーはポリオ撲滅に力をいれています」ということと、「ポリオ撲滅まであと少し」ということを世間に知ってもらうよう広報にも努めていただきたい。

13 もうひとつは、環境の持続可能性を守るということです。ラシンさんも講演で強調していました。環境汚染は、毎年、170万人の子どもの死亡原因となっています。また、地球規模で、現在、40億人が深刻な水不足を抱えて暮らしており、地球温暖化で海面が上昇すると島国は水没してしまいます。ロータリーが、先手を打つことのできる組織となれるよう願っています。

14 日本のロータリー100周年についてお話しします。日本のロータリーは1920年に東京で創設されました。米山梅吉さんが渡米したときダラスRCの会員であった福島喜三次(きそじ)さんに出会い、帰国した福島さんとともに日本のロータリーを創設しました。以来、苦難の道も経て、日本のロータリーの歴史を作ってきました。このたび、「日本のロータリー100周年実行委員会」から、各地区に、記念の鐘(ゴング)が贈呈され、ガバナー公式訪問の際に点鐘してほしいということです。台座に2630地区全クラブの名前が創立順に刻まれています。

15 米山梅吉記念館についてお話しします。静岡県にありますが、これも創立50年になります。米山梅吉さんの遺徳を顕彰し広く知っていただく趣旨で設けられました。主として地元の2620地区(静岡山梨)で支えてきましたが、50年となり大修繕の必要があることや、展示室・研修スペース・ビデオ作製などで、募金を全国のロータリアンに呼びかけています。米山奨学金の寄付とともによろしくお願いします。また、記念館を一度見に行っていただきたい。
以上で私の卓話を終わります。ご清聴ありがとうございました。