卓話「弁護士という仕事」

卓話者 秋保賢一会員

秋保賢一会員

卓話者 秋保賢一会員

私は、弁護士登録とロータリー入会がほぼ同じ時期であり、ともに32年余りということになります。ロータリー入会直後は、四つのテストをみて「弁護士には当てはまらない」と思っていました。
例えば、「真実かどうか」についていえば、原告と被告がいる裁判に当てはめてみると、弁護士には真実義務があるものの、一方で依頼人の利益も守らないといけないので、嘘をつかないかぎり依頼人の利益の方にプライオリティを置くのではないかと思っていました。
「みんなに公平か」も破産管財人に就任した場合は、債権者平等の原則がありますのであてはまりますが、やはり、裁判を念頭に置くと依頼者の利益を優先せざるを得ないので、やはり当てはまらないと思っていました。
さらに「好意と友情を深めるか」についていえば、裁判で争っているのに好意も友情も深まるわけがないと思っておりました。
そして、「みんなのためになるかどうか」も同様に依頼者の利益が第一なので、みんなのためにはなるわけではないと思っていたのです。
ということで当時は、弁護士業務についても経験が浅く、ロータリーについても不勉強でしたので、四つのテストは弁護士には当てはまらないと思い込んでおりました。
ところが、その後、まがりなりにも弁護士として、また、ロータリアンとしての経験も重ねていく中で、大きく考えが変わっていきました。
たとえば、「真実かどうか」ですが、依頼者にとって不利益になる事実や証拠を出し渋っていると、どうしても裁判所の心証は悪くなります。むしろ、依頼者にとって不利な事実や証拠であっても、それを隠さずに明らかにした上で、防御をする方が有利な判断をもらえることが少なくないことに気づきました。
「みんなに公平か」というのは、もともとの英語では「fair」という言葉が使われていて、公平ではなく「公正」という言葉に置き換えると、要するにフェアに闘えということになります。嘘をつかずにフェアな訴訟活動をしていると、裁判所が信頼をしてくれるようになります。いったんあくどい戦い方をする弁護士ということで評判が悪くなると、息の長い仕事をしていく上ですごくマイナスになります。結局は、依頼者のためにもならないことになります。
「好意と友情を深めるか」についても、裁判で争っている者同士が仲よくなるということはありませんけれども、信頼関係を築くことは不可能ではないです。嘘をつかず、フェアな戦い方をしていれば、裁判所だけではなく、相手方の代理人弁護士や、もしかしたら、相手方本人からも一定の信頼を得ることができます。これも長い目で見た場合に弁護士業務にプラスに働きますし、依頼人の利益につながります。
そして、「みんなのためになるかどうか」というのは、もともと四つのテストが商道徳を示したものであって、売り手良し、買い手良し、世の中良し、つまりWin-Winになることを指しています。確かに、裁判で判決まで行くと勝つか負けるかしかなく、Win-Winにはなりませんが、訴訟は多くの場合、和解で解決します。和解で解決する場合は、まさにWin-Winを追及することになりますので、やはり弁護士業務にあてはまります。
ということで、四つのテストは、要するにその地域社会の中で職業人として信頼されるための道筋を示しているのであって、弁護士にも当てはまる、ということが遅まきながら今は理解しています。自分で言うのも何ですが、32年余り、弁護士としてもロータリアンとしても、多少は進歩した結果なのかもしれません。

2023年3月7日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話『癸卯(みずのとう)年 獅子搏兎で挑む飛躍への挑戦』若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

卓話講師 岐阜県議会議員 若井あつこ様

獅子搏兎(ししはくと)、百獣の王ライオンは、小さくて弱い兎を捕える時も全力を出すことから、たとえ容易なことでも手を抜かず全力で取り組むということわざです。
その気概を持ち、卯年にあやかり飛び跳ねる兎のように飛躍する一年になることを願い、話を進めてまいります。
私は空手道界のエリートではありません。実は、4歳の頃に無免許の青年が運転する暴走バイクに正面衝突され重傷を負い、3ヶ月の寝たきり生活、4ヶ月間の入院生活を強いられました。退院後も後遺症に悩まされていた私の将来を案じた両親が、小学1年生のときに身体を鍛えるためにと空手道を習うよう勧めました。
しかし、空手道を習い始めたものの人より勝る体力もなく、社会人になっても「勝てない」時代を過ごしていました。
当時は20才前後が「スポーツ界の花形」と言われていた時代でしたが、私は遅咲きながら社会人になって世間から認められ、27歳で世界選手権初優勝、33歳で前人未到の世界選手権4連覇を果たすことができました。年齢的には確かに「遅咲き」ですが、勝てない時代に培った「反骨精神」があったからこそ世界一になることができたのだと、一見遠回りをしたようでも、これが夢への近道だったのではないかと思います。
「本当の勝者」とは、目先にある小さな花を咲かせたものではなく、その先の大輪の花を咲かせたものこそ「真の勝者」であることを、身をもって学ぶことができました。
これまでの現役選手時代の経験や、指導者となり多くの選手と向かい合ってきたなかで思うことは、初めから強い選手や、ずっと強くあり続ける選手はいないということです。
勝負は、強くなければ勝てません。しかし、強さゆえのおごりや、限界を知ることの挫折、迷いや誘惑、年齢的な衰えなど、永遠に勝ち続けることは不可能です。だからこそ本当の強さとは、力で相手に打ち負かすことではなく、挫折に打ち克つ心や負けない心こそが本当の強さだと、身に染みて感じています。
過去に私は、挫折に負けてしまうほどの辛い経験をしました。
それは私が世界選手権3連覇中だった頃、「優勝は若井の指定席」言われるなかで静岡国体に出場しました。しかし結果は、無名の大学生に初戦で敗北を喫し、これまで経験したことのない痛烈な苦しみを知ることになりました。当時の私の生活は空手が全てで、空手以外の夢をみたことがなかった私は、孤独の中で自暴自棄になり、社会との関わりを拒否し、生きていくことさえ嫌になることもありましたが、再び空手の道を歩むことを決意しました。なぜならば、敗北感に苛まれるなかで、私の世界チャンピオンとしての誇りとは、これまで手にしたタイトルでもメダルでもなく、空手に懸けてきた姿勢「生き様」でなくてはならない、ということに気付いたからでした。
そして、これからはどんなことがあっても二度と逃げ出したりしないと決意し、その「逃げない本気の覚悟」が、私を新たな可能性「前人未到の世界選手権4連覇」へと導いてくれました。
もしも、静岡国体の敗北で自分の人生を諦めていたのならば、今の私はありません。
諦めどきは人それぞれですが、100回やってできなかったことが101回目でできることがあります。なぜならば、100回やってもできなかった経験があったからこそ、101回目の成功につながったのだと考えることができます。
人はそれぞれ歩むスピードが違います。たとえ時間がかかろうとも、山頂を目指し自分の足で一歩一歩を進むからこそ、誰にも気が付かれずにひっそりと咲く1輪の花を見つけることができ、道の途中でしゃがみこんでいる人がいたらば肩を貸してあげられる、これもひとつの生き方なのではないでしょうか。
ロータリークラブの皆さまが提唱する多様性、公平さ、インクルージョン社会を実現するために、社会にたくさんの笑顔があふれるよう、私も一層の努力を尽くしてまいります。

卓話講師 若井あつこ様へ謝礼

卓話講師 若井あつこ様へ謝礼

2023年1月31日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

ガバナー補佐訪問

2022-23年度岐阜Aグループ ガバナー補佐 深貝一仁様(岐阜長良川RC)

ガバナー補佐 深貝一仁様

ガバナー補佐 深貝一仁様

早いもので2022-23年度も下半期に入りました。半年前の今期第一回目のクラブ訪問のときには、大変緊張をしてこの場に立っていたことを思い出しております。
上半期を簡単にふり返ってみます。
7月には、第一回目のクラブ訪問をさせていただきました。毎々同じような話になりますが、各クラブには多少知り合いの方もみえますので、概ね理解していたようなつもりでいましたが、実際クラブ訪問という形で具体的にお話を伺いますと、各クラブそれぞれの歴史があり個性をもってみえるということ。また、クラブそれぞれの課題に対し、工夫、努力をしてみえるということを改めて勉強させていただきました。

7月30日には、I.M.&ガバナー公式訪問合同例会を開催いたしました。会員皆様方のご協力により無事所期の目的は果たせたのではないかと思います。ありがとうございました。対面での準備だけをしておりましたが、コロナ感染の急拡大で急遽、ハイブリッド形式にせざるを得なかったことについては、少し残念な気持ちもあります。
今期、最もメインになる事業は地区大会です。主管は岐阜RCさん。三年ぶりの開催、十四年ぶりの地元岐阜Aグループでの開催ということで、コロナ禍の影響で多少制約もありましたが、岐阜RCさんらしい周到な準備のもとで実のある大会にしていただけました。
地区大会について個人的な感想として一つだけ述べさせていただきます。
二日目、式典最後の「ガバナー謝辞」のときです。ガバナーが一瞬言葉に詰まられた場面がありました。我々では思いも及ばないいろんな思いが込み上げてきたのだろうと思います。地区大会の重みを改めて感じさせる場面でした。
11月3日にはポリオ根絶チャリティゴルフ予選会、11月5日には、ぎふ信長まつりの会場において、ポリオ街頭募金活動を行いました。両日共、雲一つない好天に恵まれ会員の皆様のご協力のもと、全て予定通り行うことができました。

岐阜中RCさんにおきましては、今期会長方針の一つに「会員増強」を掲げてみえます。「会員増強」はロータリー全体、全てのクラブの課題でもあります。この中で、「岐阜中RC継続検討チーム」を立ち上げられました。昨年の”ガバナーと会長・幹事懇談会”の席におきまして、この「検討チーム」について田邊会長が縷々説明をされました。ガバナーも大変関心を持って聞いてみえました。新しい試みかと思います。これにより新たな方向性が見いだせるかもしれません。その他、今年度の事業に関しましても計画に基づき、前向きに着実に取り組んでみえます。
あと半年ほどありますが、どうかよろしくお願いいたします。

2023年1月17日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

卓話「岐阜加納ロータリークラブの会員増強の取組みについて」

岐阜加納ロータリークラブ 幹事 野崎雅裕様

岐阜加納ロータリークラブ野崎様

卓話者 岐阜加納ロータリークラブ 野崎様

・自己紹介

・岐阜加納RCの現状
ワインコーナーでのひととき
会員数の変遷
現在の年齢構成
サロン、自己研鑽、仲間同士の交流、仕事を求めて

・会員募集のキーマンの重要性
Mさんの事例 異業種交流会での勧誘
Oさんの事例 JC仲間の交流
Kさんの事例 会員増強委員長としての使命感の強さ

・新入会員への教育
インフォメーションの徹底(出席率の低い会員がでてきてしまった)
入会4年以内のオリエンテーションの再開

・新入会員との交流
入会3~4年目の委員長を多く抜擢した
親睦活動委員会のメンバーを当番制でワインコーナーに行かせた

・中堅会員による若手親睦会の開催
定期的に誕生日会と称して中堅~若手の親睦会を開催
(ライングループを作り、ほぼ毎月親睦会を開催する
前回の焼肉会は過去最高人数で27人集まった)

・夜間例会の魅力
昼に着替える必要が無い
週末なので出かけやすい
他クラブの月一夜間変更で聞いたこと

・最後に
募集と教育 そして継続がセットになって増強になる

2022年8月9日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc

ガバナー補佐訪問 

2022-23年度岐阜Aグループ ガバナー補佐 深貝一仁様(岐阜長良川RC)

ガバナー補佐 深貝一仁様

ガバナー補佐 深貝一仁様

各委員長、担当者の方から丁寧なご説明をいただきありがとうございました。

今期のRI会長テーマは「イマジン ロータリー」です。
「想像してください。世界に変化をもたらすことのできるロータリーの可能性を」
「ロータリーの力は、世界的ネットワークです。夢を実現するためにこのネットワークを通じ世界に変化をもたらそう」。

高橋ガバナーは地区スローガンとして、「ロータリーの心と原点を大切に、描こう明るい未来を」を掲げられました。「ロータリーの基本に返ろう」だと思います。その中で、「真のロータリアンを育て、ロータリーを成長させたい」、「日本のロータリー文化を守り、育てよう」と言ってみえます。「真のロータリアン」とは、職業上の高い倫理基準、道徳心を備えた職業人であります。「真のロータリアン」を育てることは、同じ思いをもつ仲間が増えることであり、ロータリーの活動のレベルアップ、また活動範囲も大きく広がります。これがロータリーの成長です。
「日本のロータリー文化」とは、1920年に日本に最初のロータリークラブができてから100年程たちますが、この間、日本では、理念と実践のほど良いバランスの上でロータリーを育ててきたということだと思います。『今、RIは人道的奉仕活動、つまり実践の方に重きを置き、同様に大切であるべき理念が軽く扱われている傾向にある。これでは本来のロータリーの姿とは離れていくのではないか。今こそ「日本のロータリー文化」を守ろう』、とガバナーは強調されました。

このスローガンの下、貴クラブにおいては次のような会長方針を掲げられました。
ロータリーの基本理念の理解を深めよう
副題として、「ロータリーを学び、ロータリーを楽しむクラブ活動を目指す」と言ってみえます。
また、今期の重要課題として「会員増強」「出席率の向上」を上げられました。会員増強に関しましては、入会候補者にクラブの魅力をより知ってもらう機会として、年2回のファイヤーサイドミーティングを企画されました。直接、本人に雰囲気を見てもらうということは有効な方法かと思います。また、現況、年齢の若い会員が相対的に増えてきたと伺い、大変羨ましく思いました。
出席向上委員会では、100%出席を目指すためには、会員の健康第一という考えから毎年会員全員の健康診断の実施してみえます。
その他、粕森公園清掃、ポリオ・チャリティカップ サッカー大会の企画など、地域社会への奉仕、貢献活動を大切にされている思いを感じました。今回のクラブ訪問では、改めて新しいことに触れさせていただいたように思います。一年間、お世話になりますがよろしくお願いいたします。

いくつかの地区活動方針が示されています。

  1. RI戦略計画を推進
  2. 会員増強・会員維持・クラブ拡大
  3. RIロータリー賞への積極的なチャレンジ
  4. 青少年育成の推進
  5. ロータリー財団補助金の積極的活用と寄付への理解・推進
  6. 米山記念奨学事業への参加と支援

これらの中で特に強調されている事項があります。

    1. ポリオ根絶の街頭募金活動
      コロナ感染状況を見ながら
    2. 女性会員比率 8%達成を目指す。
      RI目標:2023年度6月末 30%を掲げています。
    3. My Rotaryの登録率 50%達成を目指す。
      RIからの情報を正確なものを速く得られる
    4. ロータリーカードの普及
      ・オリコカード:個人 0.3%がポリオ基金へ 法人 0.5%がポリオ基金へ
      ・ダイナースカード:クラブ対応 0.3%がポリオ基金へ

クラブのご事情、お考え等があるかと思いますが、ご協力よろしくお願いいたします。

報告事項
第2回チャリティゴルフコンペの開催・・・詳細は幹事会を通じて

最後に、今期10月22、23日に行われます地区大会は、岐阜Aグループの高橋ガバナーの下での開催になります。お忙しい中、誠に申し訳ありませんがご協力いただきますよう、よろしくお願いいたします。

2022年7月12日 | カテゴリー : 卓話 | タグ : | 投稿者 : gifunakarc